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LANDSCAPE NOTES
のんびりと海を渡る水牛車
由布島へ
西表島の北東に浮かぶ、小さな由布島。島全体が亜熱帯植物の楽園のような観光園になってい て、八重山を訪れる人に人気の島です。
西表島と由布島を隔てる海は、わずか約500m。浅瀬が続くため、干潮なら歩いて渡ることもでき ます。でも、満潮になると海にすっぽり覆われ、そのとき活躍するのが名物の「水牛車」です。
今回、八重山の島々を空から撮影していると、機体の前方に小さな水牛車の列が見えてきまし た。眼下に広がるのは、満潮を迎えた穏やかな海。その向こうに、緑豊かな由布島が浮かんでいま す。
水牛車をできるだけ美しく捉えるため、機体は高度2,500フィートまで上昇。パイロットに進行方向 を伝え、ゆっくりと旋回しながら撮影ポイントを探します。
海の上を、ゆっくり、ゆっくり。
水牛が水面を歩くたび、後ろに細い航跡が伸びていきます。春先の柔らかな光を受けて海がきら めき、その中を進む水牛車は、まるで風景の一部。急ぐ理由なんてどこにもない、八重山らしい時 間が流れていました。
シャッターを切り終え、次の撮影地、西表島へ。上空から見た水牛車の姿は、今も心に残る「美ら 風景」です。
由布島へは、石垣港から高速船で約35分、西表島の大原港へ。そこから路線バスで約25分、水 牛車乗り場へ向かいます。徒歩なら5分ほどの距離ですが、水牛車に揺られて約15分かけて渡る のが、この島ならではの楽しみ。
潮の満ち引きに合わせて、海をのんびり渡る。目的地へ急ぐのではなく、その時間そのものを楽し む。そんな小さな旅の贅沢を味わえるのが、由布島の水牛車です。
航空写真家 寺下昌信
空撮飛行4300時間。さまざまな空撮技術で国・県・市町村の航空写真撮影を担当。JPS、視点、国立公園コンテスト、朝日新聞「日本の自然」等々、数多くのコンテストで入賞・入選を飾る日本を代表する航空写真家。長崎県出身。
日本最南端の島で、青に包まれる。
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