OAJ Tour 旧大宜見村役場
沖縄に最初のRC建築が生まれた日
沖縄の建築を語るなら、この一棟を外すことはできません。
大宜味村の集落に静かに佇む旧大宜見村役場は、1925(大正14)年に完成した、沖縄県に現存する最古の鉄筋コンクリート建築です。
設計を手がけたのは、熊本出身で国頭郡の建築技師だった清村勉。木造が主流だった時代に、台風やシロアリ、火災に強いRC造を採用したこの建物は、沖縄建築の歴史を大き変えた先駆的な存在でした。
台風に勝つためのデザイン
この建築でまず目を引くのが、八角形を組み合わせた独特の平面です。
装飾のためではありません。強い季節風を受け流し、風圧を軽減するために導き出された、風土に根ざした合理的なデザインです。厚いコンクリート壁と堅牢な構造は、沖縄で建築に求められる耐久性を体現しています。
RC建築の原点を見る
沖縄では現在、住宅から公共施設までRC造が当たり前の風景になっています。
しかし、その始まりはここにありました。
戦後、沖縄でRC造が広く普及する以前から、この建築は「沖縄にはコンクリートが適している」という考えを形にしていたのです。戦災を乗り越えて現存する数少ない戦前建築であり、沖縄の建築史を知る上で欠かせない一棟でもあります。
見るべきポイント
・深い庇がつくる、心地よい半屋外空間
・光と影を際立たせる打放しコンクリートの表情
・建物を吹き抜ける風を意識した平面構成
・地域に開かれたアプローチと広場のデザイン
建築は、地域 の暮らしを映す器でもある。
旧大宜見村役場は、その土地の風土と人々の営みを静かに受け止める、沖縄公共建築のマスターピースです。
OAJ View
旧大宜見村役場は、派手な名建築ではありません。
けれど、その静かな佇まいには、沖縄建築の原点があります。
風に耐え、時を耐え、100年近くこの地に立ち続けるコンクリート。その一つひとつの壁面が、「沖縄にRC建築が根づく物語」の始まりを語っています。
沖縄の住宅やホテルを見て歩く前に、まず訪れたい一棟。
ここから、沖縄建築の歴史が始まります。
大宜味村役場旧庁舎
大宜味村字大兼久157-2
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竣工 1925(大正14)年
設計 清村勉
構造 鉄筋コンクリート造 一部2階建
建築面積 169.98㎡







